オオクワガタ

ヒラタクワガタ

小型ドルクス

ノコギリクワガタ

ミヤマクワガタ

マルバネクワガタ

オウゴンオニクワガタ

シカクワガタ

ネブトクワガタ

パプアキンイロクワガタ

ツヤクワガタ

ホソアカクワガタ

フタマタクワガタ

その他のクワガタ

幼虫のエサ

2種類を使い分ける

クワガタは、成虫になってからは大きくならない。そこで、より大きなクワガタをブリーディングするために、最も重要なのが幼虫のエサなのである。
基本的には、菌糸ビンと添加発酵マットの2種類が主流となっている。

添加剤を入れて発酵させたマット

基本的には、赤腐れれといわれる、温度が高く発酵の進んだ木材を食べているクワガタに向くが、オオクワガタなどの白腐れと呼ばれる状態を好む種類にも使える。
シイタケのホダ木でできた昆虫マットに、各種栄養を添加し、腐ったり発酵して高温になったりしないように、完全に発酵を済ませてからエサにするので、添加発酵マットと呼ばれている。
また、木材はシイタケの作用によって一度発酵している。その後に人工的に発酵させることを二次発酵というので、二次発酵マットとも呼ばれることがある。
市販のものもあるが、菌糸ビンと違って個人でも安易に作れ、また、添加物を工夫する楽しみもあるので自作する人も多い。

添加剤1 添加剤2

菌糸ビンで簡単に育つ種類もいる

産卵材は、キノコの原木栽培という方法のために、材木にシイタケなどのキノコの駒菌を打ち込んだもので、これをホダ木という。
菌糸ビンはオガクズでキノコを栽培するために作られたもの。オガクズに、栄養価の高い米ぬかなどを混ぜてビンに詰め、キノコの菌を植え付けたものだ。
ただ、廃ホダ木と違って、我々が食べている子実体というキノコ型のものが出る前、本当はキノコの本体である菌糸をエサにしてしまうところが、材とはちょっと違う。
菌糸に含まれる栄養価は、キノコに含まれる栄養価の3倍近いといわれている。また、オオクワガタの自然の食性にも近いため、菌糸ビンをエサにすることで、簡単に大型の個体がブリードできるようになったのだ。
使用するオガクズの樹種、大きさ、添加物の種類、植えるキノコの種類、ビンの材質、要領、詰める硬さなど、非常に様々な要素が関わっていて、メーカーはそれぞれ工夫を重ねている。
一般的にクワガタ用の菌糸ビンに使用されているヒラタケ、オオヒラタケ系のキノコでも十数種類の品種がある。これに加えて、クワガタの分野でも日々使用できるキノコが研究されている。
菌糸ビンは今後も、もっと進化する可能性の高い素材なのだ。

菌糸ビン 菌糸ビンで育つ幼虫

菌糸ビンのメリットとデメリットとは

菌糸ビンの登場により、それまでは難しかったオオクワガタの飼育が、誰にでも簡単にできるようになった。菌糸ビンは革命的にありがたい飼育用品の一つだ。
菌糸ビンのメリットは、大きな昆虫ができることだけでなく、ショップで簡単に購入でき、そこに幼虫を入れるだけで清潔に飼育ができるところにもある。それまでは臭い添加発酵マットを2~3ヶ月かけて作り、それも時々失敗することがあるという難しいものだったのだ。

だが、そんな夢のような菌糸ビンにもデメリットはある。
一つは、コストがかかること。もう一つは、菌糸ビンは生きたキノコなので、クワガタを育てるというより、キノコを育てているような管理が必要となることだ。
キノコは種類にもよるが、20~25度で最も生育が活発になり、30度以上になると死んでしまう。さらに、菌糸が生育しているとビンの内部は気温よりも2~3度高くなるので、比較的高温に強いといわれているオオヒラタケの菌糸ビンでも、27度ぐらいまでの環境におく必要がある。
また、菌糸は高温下で生育が進み、そのまま低音になると、「秋が来た」と思ってキノコを出してしまう。キノコが出ても幼虫に影響はないが、キノコを出した菌糸は、力尽きて死んでしまったり、ビン内のキノコが腐って、菌糸ビンがダメになってしまう。
菌糸ビンは温度管理が難しいのだ。
また、ちゃんと管理していても、菌糸ビンは3~4ヶ月で菌糸が成長しきってダメになってしまう。ストックがきかないのである。
菌糸ビンは、オオクワガタには最適だが、他の種類に使った場合、大型の個体が育つこともある反面、死亡率も高くなるといわれている。それも、デメリットの一つである。

菌糸ビン失敗1 菌糸ビン失敗2
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